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2022年11月8日「天王星食」 »

2022年11月8日「天王星食」

皆既月食後の月食中に天王星食が起こる非常に珍しい天文現象が起こりました。
イーハトーブ宇宙実践センター理事の酒井栄さんがこの珍しい現象を写真に収めました。

撮影&写真提供
イーハトーブ宇宙実践センター
理事 酒井 栄  さん

「天王星食」は、地球から見て、天王星が月に隠される現象で、日本で皆既月食中(奥州市では皆既月食後)に天王星食が起こったのは、非常に珍しいことです。

日本で、皆既月食中に天王星食のような惑星食が見られるのは、1580年以来442年ぶりで、次回は322年後の2344年の土星食と予想されています。

朝方に金星・木星・火星・土星が見えます! »

朝方に4惑星(金星・木星・火星・土星)が見えます!

今の時期、日の出前の空に4つの惑星を肉眼で同時に観る事ができます!

この写真は5月10日の午前3時頃に撮影されたものです。
位置は少しずつずれていきますが、東から南東の方角に、7月いっぱいまでは見ることができそうです。

惑星はそれぞれ動きが違うので、今はもっと木星と火星が近づいていて、新月(5月30日)の頃に一番近づきます。
そのまま木星を火星が追い越し、順序が入れ替わっていきます。
日によって月も一緒に見えることがあります。

ぜひ早起きして見てみてくださいね!

 

<朝方に4惑星>                    <夏の大三角と秋の四辺形と4惑星>

  

撮影&写真提供
イーハトーブ宇宙実践センター
理事 酒井 栄  氏

「宇宙桜」今年も咲きました! »

エンデバー号に乗って宇宙を旅してきた宇宙桜。
今年も咲いてくれました!

2012年に植樹されてから今年でちょうど10年。
ついに開花した2年前より、少しずつ花の数も増えてきました。
つぼみがひょうたんの形に似ていることから「ひょうたん桜」と
呼ばれている桜です。たしかにちょっと似ていますね。

 

​    <遊学館と宇宙桜>                          <ひょうたんに似たつぼみ>

 

 

写真提供:イーハトーブ宇宙実践センター
理事 酒井 栄  氏

中秋の名月(2021.9.21) »

撮影日:2021年9月21日(火曜)22時12分
撮影場所:酒井天体観測所(奥州市)
撮影者:酒井 栄氏(イーハトーブ宇宙実践センター理事)

中秋の名月と満月が同じ日なのは8年ぶりだそうです。
中秋の名月というのは旧暦の8月15日に見える月のことを言います。
天文学での満月は太陽、地球、月が一直線に並んだその瞬間のことをいいます。
月の軌道が楕円であること、新月から満月となるまでにかかる時間(日数)が一定ではないなど、いろいろな理由から十五夜と満月の日が一致しないことが多いのです。

 

木星・土星の超接近(令和2年12月) »

令和2年12月21日(月)~22日(火)にかけて木星と土星が今期で最も接近しました。
12月27日(日)に望遠鏡で観測することが出来ましたのでどうぞご覧ください。
望遠鏡の視野の中に木星と土星が同時に見える事は大変珍しい事です。
また、1枚目写真には木星の衛星(ガリレオ衛星)も写っており貴重な1枚です。


1枚目「令和2年木星・土星の接近を撮影」
撮影日:2020年12月27日(日曜)17時7分25秒
撮影場所:酒井天体観測所(奥州市)
撮影者:酒井 栄氏(イーハトーブ宇宙実践センター理事)

 

2枚目「木星・土星の超接近を観測」
撮影日:2020年12月27日(日曜)17時9分47秒
撮影場所:酒井天体観測所(奥州市)
撮影者:酒井 栄氏(イーハトーブ宇宙実践センター理事)

木星と土星は約20年に一度、接近を繰り返しますが
今回ほどの接近は約397年ぶりの事で、
今回と同じ間隔の接近は60年後となる非常に珍しい現象です。
また、1月10日現在、木星と土星は、17時30分過ぎに西の空へ沈みますので
奥州市からの観察は難しい状況となっています。

『はやぶさ2』奥州市で観測されました!<12月25日追記しました!> »

12月6日(日)午前2時頃、岩手県奥州市において『はやぶさ2』の観測に成功しました!どうぞご覧ください!

<12月25日追記>

「はやぶさ2地球帰還(フライバイ)を観測」(左右同じ写真)
­  右画像①:2020年12月6日(日曜)午前1時54分15秒(11.1s)
­  右画像②:2020年12月6日(日曜)午前1時54分42秒(9.5s)
­  撮影場所:酒井天体観測所(奥州市)
­   撮影者:酒井 栄氏(イーハトーブ宇宙実践センター理事)

 

撮影者の酒井栄氏より観測時のコメントをいたきました。

­ 12月6日 予報位置に座標を入力して予報時間より約1分早めに
シャッターを前後6枚ほど撮影した中に「はやぶさ2」の軌跡が
写りました。
­ ①の54分15秒の画像は淡くて最初確認できませんでしたが
再度見直したところ写りこんでいました。
奥州市在住の國定俊男さんへお願いして画像処理をして2枚重ねて
移動が分かる画像にしました。右から左に移動しています。
この時間帯は、距離約1.8万kmで移動量が非常に早くなるので
約10秒でカメラのシャッターを切っていました。
約予報通りの位置でしたが慌てていたのか多少望遠鏡の向きが
ずれていましたが視野のはしに何とか写りとても嬉しい限りです。

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<12月7日記事>

<画像A>「はやぶさ2おかえりキャンペーン観測」
撮影日:2020年12月6日(日曜)午前1時54分42秒
撮影場所:酒井天体観測所(奥州市)
撮影者:酒井 栄氏(イーハトーブ宇宙実践センター理事)
※画面左下に軌跡が見えています。

<画像B>「はやぶさ2おかえりキャンペーン観測拡大」
撮影日:2020年12月6日(日曜)午前1時54分42秒
撮影場所:酒井天体観測所(奥州市)
撮影者:酒井 栄氏(イーハトーブ宇宙実践センター理事)

当日は肉眼で観測できる明るさには達しません。
(12月6日2時の東京からは11.2等星と大変暗い明るさでです)
当日は、カシオペヤ座付近に観測できるチャンスがありましたが
月齢20.5の月明りがあり、空の雲の流れが速かった事もあり
この観測は高度な技術を必要とします。

撮影者の酒井栄氏より観測時のコメントをいたきました。

「あいにく5日(土)は、午後7時過ぎから雨が降っておりましたが車で待機して
空を見上げておりました。
6日(日)の午前1時過ぎから晴れ間が見えてきたので望遠鏡をセットして
座標を時間と度で入力して通過位置に望遠鏡を向けてモニターを眺めて
おりました。月明りの中でカメラのモニターに星が見えると画像を確認しながら
露出時間を調整して撮影しました。何とか撮影出来てうれしかったです。」

観測についての詳細は、日本公開天文台協会(JAPOS)ホームページ
でも紹介されています。こちらもご覧ください。

2020年12月6日の【リュウグウ&「はやぶさ2」おかえり観測キャンペーン】

月の満ち欠け早見盤作成方法 »

 

 

 

奥州宇宙遊学館オリジナル「月の満ち欠け早見盤」の作り方をご紹介します。

 

ダウンロードと印刷の方法

最初に必要な図をダウンロードします。図は、月の満ち欠け円盤、満月円盤、日付円盤、日周円盤、年周円盤の5種類あり、それぞれ図1から図4に、A4の用紙の中に描かれています。そのうち、満月円盤と日付円盤は同じ用紙に描かれています(図2)。それぞれの図の番号の次に書かれている図の名称をクリックするとダウンロード用の図が表示されます。

図をダウンロードしたら、それぞれを厚紙に印刷します。ただし、月の満ち欠け円盤だけは透明のフィルム(OHPフィルム等)に印刷します。また、連結板(図5)は、後でも触れますが、クリアファイルを利用すると便利です。その場合、図の折り返しを示す点線を、クリアファイルの折り返しの部分に合わせて、折り返したまま、かまぼこ形に切ります。印刷する紙の厚さの目安ですが、図2は0.15~0.2mmで充分ですが、図3、図4はより厚い(0.25mm以上)方がしっかりします。

 

 

  図1 月の満ち欠け円盤        

図2 満月円盤+日付円盤(2023年版)      図2b 満月円盤+日付円盤(2024年版)

­   図3 日周円盤           図4 年周円盤

­­      図5 連結板

 

円盤の切り抜き方法

図を印刷したら。それぞれ用紙から円盤を切り抜きます。月の満ち欠け円盤については、黒い円環の外側(一カ所タブあり)に沿って切り抜きます。内側の白い部分(実際は透明の部分)はそのまま残し、中心に直径5mmの丸い穴を空けます(鳩目用の穴になります)。赤い丸(太陽を表す)はカラーで印刷すればそのままで良いですが、白黒で印刷して直径9mmの赤いシールを貼っても良いです。

満月円盤、日付円盤、日周円盤、年周円盤も同様にそれぞれの一番外側の円に沿って切り抜きます。満月円盤には長いタブが付きます。黄色の丸の部分は、月の満ち欠け円盤と同様に、黄色のシールを貼っても良いです。黄色の丸の内側の白い四角の部分は切り抜きます。

日付円盤と年周円盤の内側に白い円形の部分がありますが、それらはそのまま残します。一方、日周円盤の上側にある三日月型の部分は切り抜きます。次に、4枚の円盤の中心に、図の線に沿って直径5mmの穴を空けます。年周円盤については、さらに、図のように約15mm離れた位置にも同じ大きさの穴を空けます。連結板にも直径5mmの穴を開けます。

 

組み立て方法

月の満ち欠け早見盤は、上から、日周円盤、月の満ち欠け円盤、満月円盤、日付円盤、年周円盤の5枚の円盤から成ります。

まず、月の満ち欠け円盤、満月円盤、日付円盤の3枚の円盤をこの順番で中心を合わせて上から順に重ねると、ある日付の月の満ち欠けを太陽からの角度とともに示す早見盤になります。例えば、2020年8月3日の様子を見るには、まず、月の満ち欠け円盤を回して、四角の窓の中に8の文字が入るようにします。次に満月円盤を回して窓の中に3の文字が入るようにします。すると、三枚重ねの円盤上に、8月3日の月の満ち欠けの様子が太陽とともに現れます。

文字円盤には、その年の月齢の予測値をもとに、月を表す数字(外側の数字列)の方向に、その月の新月の日付が来るように日付を表す数字列(内側)を反時計回りに配します。そうすることによって、新月の時は満月円盤の月が、月の満ち欠け円盤の太陽の下に重なり、満月の時は、その月が太陽と対向する位置に来ます。図6に8月3日の3枚の円盤の配置を示します。この早見盤では月齢を1日単位で区切っているので、0.5日以下の誤差はありますが、月齢13.4日の月が太陽のほぼ反対側に現れているのが分かります。この文字円盤は2020年用です。2021年には別の日付円盤が必要です(後日掲載します)。

 

図6 2020年8月3日に合わせた3円盤の配置

 

ある日付の月の形と方角が決まったところで、つぎに、空の中でどの方向に見えるかを調べるために、年周円盤と日周円盤を用います。上記で作成した3枚の円盤の組を年周円盤の上に置き、年周円盤の黄道軸の穴(図4の上側の円)に鳩目を通し固定します。つぎに、3枚の円盤の組の太陽の方向を、年周円盤の当該日付の方向に合わせます。8月3日の場合の合わせ方を図7に示します。後で時刻の基準になるので、太陽の方向にクリップ等を挟んでおくと便利です(図7では灰色の矢印で示します)。

 

図7 8月3日に合わせた3円盤と年周円盤

最後に、日周円盤を3円盤の上に重ねて、その中心を年周円盤の赤道軸に合わせると完成です。ただし、赤道軸の位置には3枚の円盤の組が置かれているので、年周円盤と日周円盤を直接結ぶことはできませんが、連結板(クリアファイルを切り抜いたもの等)を介してそれぞれの穴を鳩目でつなぎます。全体の組み立て図を図8に、完成した早見盤の写真を冒頭に示します。

 

 

図8 月の満ち欠け早見盤の組立図