サイエンスカフェ 記事一覧

サイエンスの専門的なお話を、
コーヒーの香りに包まれてカフェ気分で聞くことができるのが
奥州宇宙遊学館のサイエンスカフェ。

そんなひと時を楽しみにいらしてください。

美味しいコーヒー・お菓子を準備してお待ちしてます!

今までのサイエンスカフェ 先生たちの講話

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Page タイトル 講師 講話
40 岩手発!ブラックホールの観測 最前線 秦 和弘
(国立天文台水沢VLBI観測所 助教)
41  私が体験した東日本大震災 田村 良明
(国立天文台水沢VLBI観測所 助教)
42 銀河鉄道の夜
~VERAが測る天の川銀河10万光年~
坂井 伸行
(国立天文台水沢VLBI観測所 特任研究員)
43

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サイエンスカフェPage.41

「私が体験した東日本大震災~そのとき大地はどう動いたか~」

講師: 国立天文台 水沢VLBI観測所/ 田村良明 助教

開催日: 2017年6月18日(日) 15:00~16:00

 「私が体験した東日本大震災」という題でお話したが、実は偽りがある。正しくは、私が「体験できなかった」東日本大震災、なのである。地震発生当日は出張中で、その時私は北越急行の特急電車の中にいて、新潟県の越後湯沢駅にまもなく到着するところであった。

地震が発生したとき、もし自分が東北地方の太平洋沿岸地域にいたとしたら、どういう行動をとったであろうか、と想像したことから話の筋を考えた。
この地震は、主要な振動(断層の破壊過程)が2分ほど続いている。大きな揺れが2分も続き、その後も揺れがなかなか収まらない。とんでもない大きな地震が発生したと想像したはずである。ラジオやテレビの報道が無くても「大津波が来る」と叫んでいたと思う。しかし、安全なところまで避難していたであろうか。どこかのビルの3階か4階に避難していて、そこで津波に襲われて犠牲者の1名に加わっていたかもしれないのである。

地震のことは直接的には研究していなかったが、地球の変形や、地面の動きを探る研究(測地学)というものをずっと続けており、地震や津波のことは知っているつもりでいた。震災前に田老町や普代村の防潮堤も見ているし、綾里では津波が30mの高さまで遡上したという所も見ていた。それでも東日本大震災で発生した10mを超える津波というものがどんな物であるか、想像が及ばなかった。自分の知識や経験といったものがいかに不足していたか思い知らされた地震であった。研究の紹介だけでなく、こういった思いを少しでも伝えたいと、資料を用意した。

講演では、GPSを使った観測で、副題にあげた「そのとき大地はどのように動いたか」を示す図や動画を紹介した。地震発生時に水沢の地は東南東に約2.3m、2016年末の時点では地震前から4.0mも変位している。それがどんなに大きな動きであったか、分かっていただけたであろうか。

担当:田村 良明

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奥州宇宙遊学館サイエンスカフェPage.40「岩手発!ブラックホールの観測最前線」 »

サイエンスカフェPage.40

「岩手発!ブラックホールの観測最前線」

講師: 国立天文台 水沢VLBI観測所/ 秦 和弘(はだ かずひろ) 助教

開催日: 2017年4月16日(日) 15:00~16:00

今回のサイエンスカフェでは宇宙きってのふしぎ番長、ブラックホールについてお話しました。宇宙のことはよく知らなくてもブラックホールという言葉は知ってる、というくらい有名なこともあり、子供さんから年配の方まで多くの方々にお越しいただきました。

ブラックホールは約100年前にアインシュタインの理論によって予言され、今ではほぼすべての銀河の中心には巨大なブラックホールが存在すると天文学者は信じています。しかしながら、未だかつてブラックホールの姿を直接見た人は誰もいません。

そこで私たちは現在世界中の研究者と協力して、人類史上初めてブラックホールの姿を写真撮影しよう、というプロジェクトを進めています。水沢観測所の名前にもなっているVLBIという技術を使うと、視力300万という非常に高精度な電波望遠鏡を作ることができます。これにより、ブラックホールの表情が撮影できるかもしれないのです。

果たしてブラックホールは一体どういう姿をしているのでしょうか。笑っているかもしれないし、寝ているかもしれないし、黒くないかもしれません。観測は順調に進んでおり、早ければ今後1年以内に結果が出るかもしれません。ブラックホールと仲良くなれたときにはまた皆さんにご報告したいと思います。

担当:秦 和弘

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イベント記事:サイエンスカフェ Page.40「岩手発!ブラックホールの観測最前線」

奥州宇宙遊学館サイエンスカフェPage.39「私は今どこ?GPSカーナビへの歴史」 »

サイエンスカフェPage.39

「私は今どこ?GPSカーナビへの歴史」
~準天頂衛星「みちびき」って知ってる?~

講 師: 佐藤 克久 先生

開催日: 2016年12月18日(日) 15:00~16:00

日常の道具となっているカーナビや名称が知られているGPSについて体系的に理解する事を目指し、「GPSカーナビへの歴史」としてこれまでの航法・測位の流れを概観した。

船舶等に使われた複数の地上送信局からの電波を受信する双曲線航法(ロランC等)、1957年のスプートニク1号の「ピー、ピー」と云う受信音をモニターして発想したとされる、人工衛星電波のドップラー偏移(救急車のサイレン音が聞く人に一番近づいたときに正しい音になる)を利用した航行衛星システム(NNSS)、衛星と受信機間の擬似距離測定(今回は衛星から電波の「ものさし」で受信点まで距離を測るとした)を原理とするGPSについて、精度を良くする工夫等に目を向けつつ説明した。更にロシア、欧州連合、インド、中国などの衛星測位システムの現状を紹介、日本の準天頂衛星(みちびき、QZSS)の特徴を説明すると共に、宇宙航空研究開発機構による1機体制での評価段階を経て2016年度末から内閣府主導による4機体制の運用段階へ移行しつつある事、最終的には7機体制を目指している事を紹介した。

今回は内閣府から「みちびき」のパンフレットやペーパークラフトを提供頂いたので、遊学館スタッフにより製作の注意点を説明しつつ製作例をお見せして来場者に持ち帰って頂いた。

担当: 佐藤 克久

 

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イベント記事: サイエンスカフェPage.39「私は今どこ?GPSカーナビへの歴史」

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奥州宇宙遊学館サイエンスカフェPage.38「太陽系外惑星はどうやってできるの?」 »

サイエンスカフェPage.38

「太陽系外惑星はどうやってできるの?」

講 師: 押野 翔一 先生

開催日: 2016年10月16日(日) 15:00~16:00

 

系外惑星が最初に発見されてから20年以上が経過して、発見されている系外惑星の数は数千個を超えている。

今回の講演では系外惑星の発見の歴史から説明を行った。

1995年に初めてホットジュピターが発見されるまで、太陽系以外には惑星系はなく、太陽系が特異であると考えられていたが、その後の観測により太陽系も数ある惑星系のうちの一つであるということがわかってきた。

系外惑星には太陽系には存在しないホットジュピターや、楕円軌道を持つエキセントリックプラネットや、地球より大きな岩石惑星であるスーパーアースなどが発見されていて、これらの惑星をどう作るか様々な研究がおこなわれている。

惑星形成理論はもともと太陽系の惑星を再現することから研究が始められており、現在ではこの理論をもとに、様々な系外惑星を形成できるような汎惑星形成理論の構築が進められている。

惑星形成の現場は、現在の望遠鏡より高解像のデータや長期間の観測が必要であるが、シミュレーションを利用することによりコンピュータの中で惑星形成の現場を再現しこのような多様な惑星を作る研究に利用されている。

講演ではホットジュピターの形成メカニズムとしてガス惑星の移動のシミュレーションと惑星の軌道不安定によるエキセントリックプラネットの形成のシミュレーションの紹介を行った。

担当: 押野 翔一

 

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イベント記事 :サイエンスカフェPage.38「太陽系外惑星はどうやってできるの?」

2016-10-17-05 サイエンスカフェ「太陽系外惑星はどうできるの?」

奥州宇宙遊学館サイエンスカフェPage.37「宇宙と星の輪廻」 »

サイエンスカフェPage.37

「宇宙と星の輪廻」

 

講 師: 元木 業人 先生

開催日:2016年6月19日(日) 15:00~16:00

 

総評

今回のサイエンスカフェでは星の誕生と死をテーマに、普段遠い他人事のように眺めている星と人間の直接的な繋がりについて講演を行った。

内容としてはまず恒星の構造とその活動性、特に星のエネルギー源となる中心核での熱核融合反応について
紹介し、ビックバン直後のまっさらな宇宙から現在の地球や生命の誕生に至る過程において、いかに星による
元素合成が本質的であるかを説明した。その後星の誕生と死の過程を辿りつつ、星と星間物質の循環について
説明した。

星というとややオールドファッションな研究テーマが宇宙の成り立ちを考える上で如何に重要であるかを
伝えたく思い、元素合成による物質進化に重点を置いた講演としたため、星の誕生と死の部分については画像
を見ながら軽く触れる程度の説明となった。参加者の年齢層の幅が広いと言うことで、なるべく平易な表現や
例え話を交えつつわかりやすい講演を心掛けたが、予想以上に反応が良く、様々な質問をいただき非常に
楽しんで講演をすることができたと思う。特に太陽の表面温度に関するクイズに力強く答えてくれた児童に
ついては、下手な大学院生よりも積極的な態度に大変驚かされた。

他の方々も全体的に知りたいという欲求を素直に表現されることに慣れている印象があり、これまでの
サイエンスカフェを含む遊学館の取り組みが実を結んでいるのであろうと推察された。今後も是非このような
機会を継続して頂き、天文学者に社会貢献の場を与えて頂ければ幸いである。

担当:元木 業人

 

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イベント記事 :サイエンスカフェPage.37「宇宙と星の輪廻」

IMG_0481 IMG_0491

 

奥州宇宙遊学館サイエンスカフェPage.36「雪って不思議だと思いませんか?」 »

サイエンスカフェPage.36

「雪って不思議だと思いませんか?」

講 師: 中東 重雄 先生

開催日:2016年4月17日(日) 15:00~16:00

 総 評

 本サイエンスカフェでは、これまで進めてきた奥州宇宙遊学館独自に作製した「人工雪結晶作製装置」を用いた「雪」についての研究の中間報告をおこなった。

 内容は、小生が雪の研究に携るようになった経緯にはじまり、雪の研究についての簡単な歴史、「雪」という言葉の美しさや表現について。そして雪のでき方や成長メカニズムについて科学的な説明を紹介し、最後にこれまでの実験結果についてまとめて報告した。さらに、今後の研究課題についても紹介した。

 1時間という講演時間に対し、少し内容が多すぎた感があり、後半は少し急ぎ足になった感がある。秋田の学生さんが聴講されると事前に聞いていたので、講演ターゲットをそのあたりに絞ったが、江刺の農業の方(男性)、近所の本カフェ常連というお年寄りの女性の方などから質問を頂き、びっくりした。特に『遊学館で雪の研究をしているなんてびっくりした』との彼女の言葉を聞いたときには、「してやったり」という感であった。遊学館のサイエンスカフェの目的は、十分達成されていると思う。今後も天文関係のテーマだけではなく、いろいろな分野についての講演を企画してはと思う。

担当: 中東 重雄

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イベント記事   :サイエンスカフェPage.36「雪って不思議だと思いませんか?」
科学トピックス:「雪の結晶作成実験」の記事

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2017年
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40 岩手発!ブラックホールの観測 最前線 秦 和弘
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41  私が体験した東日本大震災 田村 良明
(国立天文台水沢VLBI観測所 助教)
42 銀河鉄道の夜
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坂井 伸行
(国立天文台水沢VLBI観測所 特任研究員)
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36 雪って不思議だと思いませんか? 中東 重雄
(イーハトーブサイエンススクールリーダー)
37 宇宙と星の輪廻 元木 業人
(国立天文台水沢VLBI観測所 特任研究員)
38 太陽系外惑星はどうやってできるの? 押野 翔一
(国立天文台天文シミュレーションプロジェクト
専門研究職員)
39 私は今どこ?GPSカーナビへの歴史 佐藤 克久
(国立天文台水沢VLBI観測所 主任研究技師)