見えないブラックホールをどうして見つけたのか?

ブラックホールらしき天体がはじめて観測されたのは、1970年代になってからです。ブラックホールがある、
観測されている、といっても実はブラックホールを直接見ているわけではありません。我々はブラックホールを
直接観ることはできないのです。ブラックホールの定義は、「直接光を発しないので、見えない天体」です。

では見えないブラックホールがなぜわかるのか? どうして見つけるのでしょう。それは、ブラックホールが
持つ強大な重力によってガス(物質)がブラックホールに吸い込まれる際にガスの分子同士がぶつかり合い、
その際強力なⅩ線やγ(ガンマ)線などの電磁波を発することが知られているので、そのような電磁波を発して
いる星を探すのです。そしてこのような強力な電磁波(X線やγ線)がでていることと、その質量を推定する
ことによって、ブラックホールかどうかを推定します。現在では30以上の候補天体が知られています。

今では、私たちがいる天の川銀河の中心部分にも超巨大なブラックホールが存在していることが分って
います。その大きさは、太陽のじつに400万倍以上の質量、と見積もられています。

では「ブラックホール」はほんとうに存在するのでしょうか?「光でも逃げ出せない星」というのは、
ほんとうにあるのでしょうか? その答えを出したのが、1970年代に発達したⅩ線天文学です。

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