いわて銀河フェスタ2016(2016年8月20日開催)において、科学実験「蓄電池をつくる」を実施し、先端科学を体験しました。この実験は、2016年3月15日岩手県立総合教育センターにおける「白川英樹博士特別実験 導電性高分子を使った二次電池の作製学習会」に小野寺と大江が参加し、学んだ内容に準じたものであり、一部、材料等に費用削減のための工夫を加え、中学生を対象にして安全性を十分考慮した内容となっています。その結果として、白川博士特別実験とほぼ同じく良好な学習成果が得られたと思われるので、白川博士の特別実験及び、お世話して下さった日本科学未来館の担当者の方々に感謝し、ここに報告させていただきます。
講 師: 大学生2名(岩手大学工学部 応用化学科
インターンシップにより奥州宇宙遊学館に滞在。8月17~19日 本実験について研修)
実験サポート: 奥州宇宙遊学館 サイエンススクール・リーダー 5名
受 講 生 : 奥州市立水沢中学校 15名(引率教師 1名)
奥州市立水沢南中学校 10名(引率教師 1名)
岩手県立一関一校附属中学校 1名
計26名を6グループに分けた(4~5名/グループ)
実 験 日 時 : 2016年8月20日 10:30~11:30
会 場 : 奥州宇宙遊学館 セミナー室
実 験 内 容 : 参考① 「導電性高分子の基礎 SIGMA ALDRICH刊」
参考② 「白川博士特別実験 導電性高分子を使った二次電池の作製、
2016年3月15日岩手県立総合教育センターにて実施」
1 導電性高分子の重合(正極チタン箔上でポリピロール重合)
2 ポリピロール蓄電池に充電
3 ポリピロール蓄電池から放電
4 充電時間を変えて放電時間を測る
5 充電時間と放電時間の関係をグラフにする
6 実験結果
6.1 全グループで、ポリピロールを重合できた。
6.2 全グループで、ポリピロール蓄電池の充電・放電時間を測定できた。
充電・放電グラフの一例
全グループで、ほぼ同様の結果が得られた |
7 今回の実験で参考②から変更したこと
7.1 直流電源
乾電池を使用し、重合DC3V、充電DC1.5Vとした。
(参考②では、電圧可変の直流電源を使用し、重合DC3V、充電DC2V)
7.2 正極
チタン箔を使用した。(参考②では、チタンメッシュ使用)
参考: チタン箔(0.03厚×150×400mm)1枚 約1,000円
チタンメッシュ サイズによるが数万円?
これらにより、実験費用を大幅に下げることができた。
8 写真
白衣の2人が講師(岩手大学工学部応用化学科) |
ビーカー内の黒いものがチタン箔上のポリピロール。 緑のプロペラが回転中(蓄電池の放電) |
(小野寺喜美男 記)