サイエンスカフェPage.39 総評

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「私は今どこ?GPSカーナビへの歴史」
~準天頂衛星「みちびき」って知ってる?~

講 師: 国立天文台水沢VLBI観測所 主任研究技師 佐藤 克久 氏

開催日: 2016年12月18日(日) 15:00~16:00

日常の道具となっているカーナビや名称が知られているGPSについて体系的に理解する事を目指し、「GPSカーナビへの歴史」としてこれまでの航法・測位の流れを概観した。

船舶等に使われた複数の地上送信局からの電波を受信する双曲線航法(ロランC等)、1957年のスプートニク1号の「ピー、ピー」と云う受信音をモニターして発想したとされる、人工衛星電波のドップラー偏移(救急車のサイレン音が聞く人に一番近づいたときに正しい音になる)を利用した航行衛星システム(NNSS)、衛星と受信機間の擬似距離測定(今回は衛星から電波の「ものさし」で受信点まで距離を測るとした)を原理とするGPSについて、精度を良くする工夫等に目を向けつつ説明した。更にロシア、欧州連合、インド、中国などの衛星測位システムの現状を紹介、日本の準天頂衛星(みちびき、QZSS)の特徴を説明すると共に、宇宙航空研究開発機構による1機体制での評価段階を経て2016年度末から内閣府主導による4機体制の運用段階へ移行しつつある事、最終的には7機体制を目指している事を紹介した。

今回は内閣府から「みちびき」のパンフレットやペーパークラフトを提供頂いたので、遊学館スタッフにより製作の注意点を説明しつつ製作例をお見せして来場者に持ち帰って頂いた。

担当: 佐藤 克久

 

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